8月1日 23歳の柴犬が来院しました

 本日の昼前に 実に23歳という超御高齢の柴犬が来院しました。3日前から下痢が続いているという事で検便してみましたが寄生虫はいないことが分かりました。ここ数日の暑さと湿度で体調を崩したのだと思います。私が診察した犬としては25歳のマルチーズが 最高齢です。そのマルチーズはいかにも御爺ちゃんで 目が全く見えず 耳も殆ど聞こえません。足取りもフラフラで今にも死にそうな様子でした。所が本日来院した柴犬は目も見えるし 耳もそこそこ聞こえるし 白髪も殆どありません。足腰もしっかりしていて 見た目ではそれほどの高齢犬には全然見えません。心音も正常に近く 殆ど心雑音もありませんでした。念のため血液検査を実施しましたが 腎機能が少し低下しているぐらいであとの十数項目は正常値でした。

 食欲も普通にあるみたいなので いわゆる整腸剤と腸の粘膜を保護する薬とを内服で処方して様子をみることにしました。この猛暑に 庭に繋がれていて 家の中に入れるのは 飼い主さんが無理みたいなので 涼を感じられるもの 例えば保冷剤やペットボトルに水を入れて冷凍庫で凍らせたものを そばに置いてあげてせめて扇風機の風ぐらいはあててあげるようにお願いしました。室外で飼育される犬は室内で飼育される犬よりも生活環境が過酷なので平均で二年ぐらい寿命が短いそうですが、この子はよほど頑強な体を持って生まれてきたのでしょう。飼い主さんが大切に飼ってあげれば あと数年は長生きできそうに思います。

 人生にはいろいろな幸せがあると思います。やりがいのある仕事を成し遂げるのも立派な人生でしょうし、宝くじにでも当たって大金を手にして 一生のんびりと過ごすのも悪くないのかもしれません。でも、私ぐらいの年齢になると 健康で長生きした者が一番幸せなのではないかと思ってしまいます。この柴犬は家にはあげてもらえませんが長年きちんと面倒を見てもらい健康でとても長生きしているのだから 凄く幸せ者じゃないかと思ってしまいます。

 私は普通に大学を卒業して 普通に就職しました。誰もが名前を知っている一流の製薬会社でした。給料や待遇には満足していましたし、仕事にやりがいや楽しさは感じられませんでしたが 仕事は金を稼ぐためのものだから楽しくないのは当然だと思ってました。ある人に巡り合って人生の目標を簡単に諦めてはいけないことを教わり、長年の夢である獣医師になるために大学を再受験することを決意しました。そしてなんとか合格して かなり苦労して卒業し国家試験にパスして目標である獣医師になりました。運よく自分の病院を持ててなんとかつぶれずに経営できています。仕事にはそれなりにやりがいを感じられて幸せだと思います。

 私は病院を初めて普通に結婚しましたが、上手くいきませんでした。その後今の奥様と巡り合えて 今後も苦労は絶えないだろうけれど死ぬまで一緒にいてほしい女性に出会えて本当に幸せだと思っています。やりがいの感じられる仕事と一生ともに過ごしたい女性に巡り合えて 他人から見ればほんの些細な幸せかもしれませんが 私にとっては有難すぎる人生だと思って感謝しています。せっかく手に入れたやりがいの感じられる仕事と大切な女性を決して手放さない様に これからも頑張っていこうと思います。

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