よくあるご質問

飼い主さんからよく受ける質問にお答えします。
※10年前に掲載した内容もあり、情報が古い場合もございます。お気付きの点がありましたらご指摘、ご指導ください。

猫のグルーミング


  • 家の猫(日本猫、11才、オス)は、若い頃は綺麗好きで身づくろいを欠かしませんでした。所が10歳になった頃から徐々に身づくろいをしなくなり、目ヤニや毛の汚れ、毛玉等が目立つようになりみすぼらしくなってしまいました。人間に抱かれる事が嫌いなので今まで殆ど接触がなかったのですが、今後どうしてあげればよいでしょう?


    肉体的若しくは精神的なストレスがかかると、猫も人間と同様に毎日の日課だった事が出来なくなる場合があります。
    肉体的なストレスとは例えば、十歳を過ぎて視覚、聴覚、嗅覚等の感覚が急に鈍ってしまい、綺麗好きだった猫がずぼらな性格に変わって、身づくろいをめんどくさがる様になったケースがありました。それから、肥満体になった為に徐々に背中などに口が届かなくなりグルーミングが出来なくなった場合もありました。更に、年齢的にも心臓や腎臓を病気におかされて体調が悪くなりグルーミングどころではなくなるケースもありました。
    これらのケースは病院で治療や体質の改善を心掛ける事によって、再びセルフグルーミングを頑張り始める可能性がありますので、一度病院で診察を受けてみる事をおすすめします。。
    精神的なストレスとは、例えば引っ越しをして環境が変わったり、小さな事ならトイレや食器が変わった事に気を取られて、グルーミングがおろそかになったケースがありました。赤ちゃんが誕生したり、誰かが亡くなられたりして家族構成が変化した事や新しく猫を飼い始めたこと等がストレスになったケースもありました。
    猫は犬のように感情をあまり表に出しませんから、どの様なことが精神的なストレスになっているかを判別する事が難しいと思いますが、昨年から今年にかけてこの猫の周囲で変わったことがなかったか、ご家族全員でよく思い出してあげてください。
    引越しが原因ならどうしてあげようもありませんが、例えば一番可愛がってくれていたお婆ちゃんが亡くなって寂しい事が原因なら他のご家族で出来るだけ寂しさを紛らわしてあげればよいですし、新しく同居した猫と馴染めないのなら、生活環境を分離して顔を合わせない様にしてあげる事で解決できるのかもしれません。
    治療や飼い主さんの協力で取り除いてあげられるストレスは出来るだけ取り除いてあげてください。
    11歳という年齢まで人間との接触を避けてきた猫の場合、なかなか実行するのは難しいかもしれません。でも若い頃に比べて気力や体力も落ちてきて、性格も少しは穏やかになってきているかもしれませんから、取敢えず身体を触ってあげることから少しずつ努力してみてください。ある程度身体を触れるようなら、ドライシャンプーや蒸しタオルを利用して身体を清潔にしてあげる事くらいなら出来るかもしれません。いろんな事を試してみて何かしてあげられる事がないか見つけてあげましょう。


  • チンチラ(1才、メス)を飼い始めたのですが、排便の度に肛門の周囲が汚れて困っています。週に一回くらい下半身だけシャンプーするのですが 暴れて嫌がります。上手なシャンプーのやり方を教えてください。


    最初にこの質問の猫について心配な事があります。猫は本来綺麗好きな動物ですから、排泄して体が汚れれば、普通なら自分で綺麗にするはずです。余程体調が悪くてセルフグルーミングが出来ない状態であったり、凄く肥満して肛門に口が届かないのなら、そちらの治療が先に必要だと思います。便の異状(下痢であったり、粘度が強い状態)なら、取敢えず病院で便の検査を受ける必要があると思います。猫自身の問題ではなくても、トイレの形態や置かれている紙砂が猫の体型や排泄する姿勢とマッチしないのかもしれません。排泄する時の状態を注意深く観察して、排泄しやすい環境を整えてあげてください。
    猫という動物は、身体を水で濡らす事を嫌がります。まあ、世の中は広いですから 捜せばシャンプーを喜ぶ猫もいるかもしれませんが、嫌がって暴れたりするのは、当たり前で 仕方がない事だと思います。ですから、猫が嫌がらずにシャンプーする為には、身体を水に濡らす事に少しずつ慣れてもらうことから始めましょう。まず、猫の首の周り等を掻いてあげたりして、猫が喉をゴロゴロ鳴らす機嫌のよい状態にしてから 例えば片方の足先だけにぬるま湯をかけて、直ぐに拭取り、ドライヤーをかけます。猫が嫌がれば、少し休憩して 再び猫の機嫌を取りながら作業を続けましょう。次の日は両足先を濡らしてみる、と言った手順で少しずつ身体を濡らす事、ドライヤーで乾かす事に慣れさせましょう。焦らないで、あくまで猫が機嫌よく喉をゴロゴロ鳴らす状態を維持しながら 気長に少しずつ慣らしていけば、シャンプーされる事も楽しいこととして認識してくれるようになるでしょう。シャンプーする前のブラッシングは 飼い主さんが想像されている以上に重要です。毛玉があるのにそのままシャンプーしたりすると、その部分の汚れが落ちないだけではなくて その毛玉が更に大きく そして硬く縺れた毛玉になってしまいます。ですから、毎日のブラッシングは勿論大切ですが、シャンプーする前にもう一度念入りにブラッシングをして、出来る限り縺れをなくしてから、シャンプーしましょう。ブラッシングをしっかりしておけば、猫の一番苦手なドライヤーの時間が短くて済みます。勿論分かっていらっしゃるとは思いますが、猫のシャンプーには、猫用のシャンプーを使用してください。猫の毛の質や好みの匂いがあるかもしれませんから、販売しているお店に猫も連れて行って、お店の人に相談しながら選ばれれば、間違いが少ないと思います。シャンプーする頻度としては、その猫の汚れ方にもよりますが、毎日のブラッシングを励行していれば、1~2ヶ月に一度で十分だと思います。シャンプーは少なからず猫にストレスをかける作業ですから、あまり頻繁にすると余計にシャンプー嫌いになってしまいます。あくまで猫のご機嫌と相談しながら、「今日はお天気もいいし、暇な時間がたっぷりあって おまけに猫ちゃんの機嫌もとてもよいので シャンプーでもしようかな。」位ののんびりした気持ちで取り組んでください。


  • ペルシャ猫(2才、オス)を飼っていますが、ブラッシング等の毛の手入れを凄く嫌がるので 首の周囲や脇の下に大きな毛玉が出来ています。何とか自分でとかしてあげたいのですが、よい方法はありませんか?


    猫は本来 綺麗好きで、自分の身体を舐めて綺麗にする行為(セルフグルーミングと言います)をしますから 短毛種なら、飼い主さんが特にブラッシングやシャンプーをしてあげる必要性は少ないと思います(短毛種でも、毛球症を予防する為に時々ブラッシングする事をおすすめします)。
    長毛種の場合は、飼い主さんがブラッシングを手伝ってあげないと どうしても縺れ易い部分に毛玉ができますから、出来るだけ毎日ブラッシングをしてあげてください。ブラッシングは、単に毛の縺れや毛球症を予防するだけではなくて、毛の汚れを落とし 皮膚を清潔に保ち マッサージ効果で血行をよくしてくれる、皮膚の状態や外傷の有無等をチェックできるよい機会でもあります。勿論、猫が慣れてくれれば飼い主さんとの大切なコミュニケーションの場でもあるわけです。ブラッシングを嫌がる場合、まずは飼い主さんが手で猫の身体を隅ずみまで触ってあげましょう。人間だって首の周りや脇の下はくすぐったいわけですから、焦らずに少しずつ そんなデリケートな部分に触られる事にも慣れていってもらいましょう。焦らずに、最初は短い時間から始めて、猫が嫌がったら無理せずにその日は終わりにしましょう。 毎日根気よく続けて、徐々に手で触られる事が苦にならなくなったら、次にスリッカーやブラシ、コーム(動物用の櫛)等を使い、その感触に慣れてもらいましょう。この段階でも、焦りは禁物で、猫が嫌がったらその時点で その日はお終いにしてください。慣れてくれば、猫にとっても飼い主さんと密着できる楽しい時間になるはずですから、くれぐれも焦らないでのんびりといきましょう。仔猫の時から始めれば、そんなに時間はかからなかったかもしれませんが、現在2才ですから、ブラッシングを嫌がらなくなるまで数ヶ月はかかる長期戦を覚悟してください。現時点で、かなりの毛玉が出来ているようですから、一度プロの美容士さんにお願いして、縺れや汚れのない状態から、スタートした方がスムーズに進行すると思います。

    <注意>
    美容室によっては、バリカンで丸刈りにする事をすすめる場合があるかもしれませんが、短く刈り込んでしまうと まともな毛が生えてこなくなるケースもありますから、気をつけてください。飼い主さんが 首筋や脇の下の毛玉を解す為に ハサミを使って 結果的に皮膚を切ってしまい、 病院で縫合するケースが時々あります。くれぐれも毛玉の除去は美容士さんに任せましょう。