よくあるご質問

飼い主さんからよく受ける質問にお答えします。
※10年前に掲載した内容もあり、情報が古い場合もございます。お気付きの点がありましたらご指摘、ご指導ください。

猫のエイズ(FIV)


  • 猫のエイズ は予防できないのですか?

    同じレトロウィルス科に属する白血病ウィルスに対するワクチンはありますが、エイズウィルスは形態が微妙に変化するために、現時点でワクチンが開発されておらず確率の高い予防法はありません。ですから、現在の所 完全に予防できるわけではありませんが自衛策として、室内だけで飼育して 他の猫との接触を出来る限り避けること位しか無いようです。


  • もし猫がエイズにかかってしまった場合どのような治療法があるのですか?


    残念ながら、現在の所、人間のエイズと同様、対症療法はありますが根治療法はありません。しかし、感染してから発症するまでの期間が長いので、食餌や生活習慣等の改善を目指し 体調の管理に務め、免疫力の維持をはかることで、発症する時期を遅らせることができれば、もって生まれた寿命の大部分を全う出来る可能性は高いと思います。 ですから、エイズにかかったことが解っても、飼い主さんに 諦めないで病気に立ち向かう姿勢があれば、その猫にとって幸せな生涯が送れるのではないかと思います。


  • 隣で飼っている猫が病院で検査を受けたところ、エイズにかかっている事がわかったそうです。うちの猫は、その猫とよく一緒に遊んでいて、現在は何の症状もなく普通に生活していますが大丈夫でしょうか?

    猫エイズはウィルスによる伝染病で、既にかかっている猫との接触により感染します。但し、伝染力は強くないので、汚染されている粘膜や血液との直接的接触がなければ感染する可能性は高くありません。具体的には、かんだり かまれたりといった喧嘩の場合が一番感染する可能性が高く、交尾による接触では低いと言われています。仲の良い猫同士でよほど濃厚に舐め合ったりした場合も、感染する可能性は多少ありそうですから、心配であればすぐに病院で血液検査を受けましょう。

    猫がエイズに感染した場合の症状と経過について簡単に説明しておきます。
    1)感染すると、まず軽い風邪の症状(クシャミや目やに)や軟便が数ヶ月続きます。
    2)やがて症状は治まり、無症状の潜伏期間が数年から長いと10年位続きます。
    (但し、この間もウィルスの増殖はすすんでいます)
    3)ウィルスの増殖がある限度を越すと発症して 免疫力が低下します。口内炎や慢性的な目ヤニや鼻水、下痢が続き徐々に痩せ衰えて死に至ります。

    以上の事から考えますと、外出する猫は何処でどんな猫とどの様に接触しているかわかりませんから、現在全く症状が無くてもエイズに感染している可能性が少なからずある事を知っておきましょう


  • 子供が子猫を拾ってきたのですが、「この猫がエイズにかかっていないか」、そして「人間にうつらないか」 と言う点がとても心配で飼おうかどうか迷っていますアドバイスをお願いします。


    まず、猫がエイズにかかっているか否かは、動物病院で血液検査を受ければわかります。(幼猫の場合、検査結果に正確さを欠く場合もありますから1~2ヶ月後に再検査される事をお勧めします)もしかかっていなければ、とりあえず安心ですが自由に外出できるような飼い方をすれば何時かかるかわからない事は覚悟しておいてください。(野良猫の約10%がエイズに感染している、と言うデーターもあります)例えかかっていても、それなりの対処法がありますから諦めてしまわないで 落ち着いて病院の指示に従ってください。
    次に、猫のエイズが人間に感染することはありませんからご安心ください。(逆に人間のエイズが猫に感染することもありません)尚、エイズよりも 回虫等のお腹の寄生虫や、ノミやカイセン等の皮膚の寄生虫の方が人間への被害が心配されますから、病院で診察と必要な検査を受けることをお勧めします。